1.着物のパーソナルカラー
自身のパーソナルカラーを知って着物を選ぶことが望ましいと書きましたが、それだけでよいのでしょうか?
例えば、着物としてコーディネートが素晴らしくても自分に似合わない色の場合は絶対に着ることができないのでしょうか?
2.半襟の工夫
パーソナルカラーの基本的な考えは自分の顔の周りに顔映りが良くなる色を持ってくるという考え方があります。
そのため、どうしても自分が苦手な色を着たい場合は、一つの方法としては、半襟で調節をするのがポイントとです。洋服だとストールで調節しましょうとか言われるかもしれません。
3.具体例
さて、前回の復習ですが、私のパーソナルカラーは春なので、イエローベースで「鮮やか」で「明るい」色のグループが似合います。 図1の一番左の□の箇所が似合う色のグループです。
つまり、これは大事な方からのいただいたキモノだとしてどうしてもこれを着たいというときには、着物のコーディネートとしては正解を導き出す(図2)ことはできますが、やや私には苦手な色のグループということになります。
図1 パーソナルカラーの4分類
図2 着物カラーコーディネートの一例
それでは、私の顔で恐縮ですが、顔色の変化を見ていただきたいと思います。
一番左は、半襟の色が一般的な白のため顔色が白く見えますが、少し元気がないように見えます。
次に中央ですが、地の白に模様がたくさん入っていますので、少し健康的に見えます。最後に一番右ですが、これは半襟の地がクリーム色で、蝶の模様が入っていますのでこちらも顔色が上がります。
つまり、この場合、少し静かで品よく見せたい場合は、左端になりますが、パーソナルカラー的には中央か右端が似合うということになります。
図3 半襟による顔色の変化
4.まとめ
今回は半襟を工夫して、苦手な色を着こなすというやり方をご紹介しました。ほかには、得意な色の面積を増やす、または、苦手な色を帯などに使用して顔から離すなどいろいろなやり方があり、自分の苦手なパーソナルカラーの着物を着ることは可能です。
どちらにしても自分のパーソナルカラーを知っておくことは着物以外のファッションを楽しむためには、とても意味のあることですね。
千松では、来月から着物カラーコーディネート講座が始まる予定です。パーソナルカラー診断も講義内容に入っていますので、ピンときた方はご参加ご検討ください。
前回は、フリーペーパーに載った日の開店10分後には満席になりましたので、お申し込みはお早めに。
☆プロフィール☆
AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了
修士 (デザイン学)
現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中
札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員
北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」