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「色の組み合わせ。歌舞伎の色」

 色の組み合わせで特定の製品を即座にイメージできる場合があります.

 

例えば,下の図の3色の色の組み合わせ.さて,この色の組み合わせでイメージする商品は何でしょうか?ヒントは文房具です.

正解は消しゴムです.このmono消しゴムを一度は使ったこと,見かけたことは大部分の方はありますよね.

このように色の組み合わせでこれだ!とイメージできるものがあり,そこで今回は歌舞伎の色についてお話ししたいと思います.

1.歌舞伎の色

 歌舞伎の色の組み合わせ3色といえば皆さん思い浮かぶのはこちらの色の組み合わせではないでしょうか?

これは,劇場の定式幕に用いられている色ですが,そのため,歌舞伎のグッズなどのいろいろな商品に使われていることでしょう.

例えば,現在の歌舞伎座の引幕(人がひいて左右に開け閉めする幕のこと)は,左から,黒・柿・萌黄の3色の縦縞になっています.

2.いつからこの色になったの?

 

現在の私たちは,テレビや映画,各種の動画配信などで気軽にメディアに触れることが可能です.当然ですが,江戸時代はそのようなメディアが一切なかったため,歌舞伎が庶民のかなり有力な娯楽の一つでした.

 

歌舞伎は,常設の芝居小屋が認められている公許(幕府が認可)の興行主と,そうではない仮設の劇場を持つ興行主がおりましたが,この配色は前者の公許の森田座の幕に由来しています.

 

3.公許の芝居小屋にあるもの

幕府お墨付きの芝居小屋には櫓が立てられます.例えば,宮地芝居と呼ばれる仮設の芝居小屋(左)には櫓が見えませんね.そして公許の芝居小屋には櫓がありました(右).

 

左図:『平成版 江戸名所図会』 永井伸八朗著 日貿出版社より引用

右図:江戸東京博物館展示

 

 

 

4.公許の定式幕の色のあれこれ

 かつて公許の芝居小屋が4つあり,江戸4座といわれていました.一つの市村座がある事件をきっかけに無くなり,その後,江戸3座となり,森田座,中村座,市村座となります.

 

 

 現在の歌舞伎座の配色は森田座の配色に由来しておりますが,そのほかの芝居小屋の定式幕はどんなものでしょうか?(ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%BC%8F%E5%B9%95参照)

 

 

 例えば,国立劇場は,市村座の定式幕(左)を踏襲しており配色の並び順が異なっています.右は中村座の定式幕の配色です.

5.緞帳について

 

幕といえば一般の劇場にかかっている緞帳と先述の定式幕はどう違うの?という疑問を持った方もいらっしゃると思いますが,緞帳は上下に開閉します.

 

参照http://enmokudb.kabuki.ne.jp/phraseology/2568

 

 

現在の豪華な緞帳になる前の江戸時代~明治初期の緞帳は粗末なものだったので,定式幕が許されない小芝居に使用されていたため,その頃は緞帳芝居と揶揄されていたようです.今からは想像がつきませんね.

 

先日訪れた歌舞伎座の緞帳は,開演前に緞帳の提供会社の説明があります.「この緞帳は○○株式会社様から・・・・」というような説明があり,例えば10月歌舞伎では3枚の緞帳を下ろしたり上げたりして順番に観客に見せます.開演より早めに訪れると,緞帳見物も楽しめますね. 

 

ちなみにこのような緞帳ですが,たくさんの会社が作るノウハウを持っているわけではありませんが,私はその一つの京都郊外にある制作現場に行ったことがあります.もちろん大きなものですので,体育館のような場所で裏返しにされ作っていきます.模様を直接見ながら製作できないため,作る方は素晴しい技術だなと感心しました.

 

 

 

 

 

 

6.歌舞伎カラーを着物に取り入れる.

 

 実際の観劇の際は,演目に関係する柄の帯を締めたり,小物を持ったりいろいろだと思いますが,ざっくり半幅帯で歌舞伎を表現することも可能ですね.

 

私は実際には歌舞伎座へ訪れる際は帯は変えましたが,このコーディネートで飛行機に乗りました.

 

6.まとめ

 札幌にいると歌舞伎を見る機会は1年に一度程度なのですが,奮発するもよし,シネマ歌舞伎で手軽に楽しむもよし.着物を着ていろいろな芸術を楽しんでください.

 

芸術の秋ですので.次回は,着物でお出かけの歌舞伎座編で詳細をお伝えします.

 

☆プロフィール☆

 

AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了

修士 (デザイン学)

 

 

現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中

    札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員

 

 

北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」

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