着物を着ている人は,デザインや色の美しさに心惹かれることでしょう.今回は,デザイナーの森尻先生のお話を中心に染めの基本をお伝えします.
着物や帯ができるまで
(1)デザインを起こす
過去の絵柄や流行から研究します. 柄は,40~50cmの大きさの繰り返し
例えば今回の帯のデザインを作るにあたり参考にしたのは,大正時代の着物の羽裏です.
この図柄にインスパイアされ,独自の絵柄を生み出します.
(2)型紙の作成者に発注し,型を彫ってもらいます.
14色使用するなら,14枚型紙は必要です.
1枚 〇万円×14=・・・だそうです.
以前は柿渋(かきしぶ)で張り合わせて補強した美濃和紙(上)が型紙であったが,現在は樹脂(下)になっています.
(3)次に,型紙に色をのせていきます.浮世絵の技法と同じで14枚の型紙で順番に色を着けて(刷る?)ていきます.
(4)最後に図柄以外の生地全体を染めます.すなわち,右下の図柄だったら,黒で最後に染めます.
(5)生地を蒸らす→ 発色の確認
(6)色鉛筆で下絵を描き,色のチェックを何度かしているため,実際は出来上がりはわかりません.
最初のイメージ通りの作品ができたらとても嬉しいとのことです.
このような手間暇かけて1枚の着物や帯が出来上がります.
(2)~(5)の工程で職人さんに支払うお金が現金払いだそうです.
本日の私のコーディネート
半襟 菊模様の刺繍半襟
着物 更紗模様 ベージュ
帯 相良刺繍 紫
帯締め 緑を効かせました.
帯留め 秋なのでワイン
帯揚げ いただきもの
根付 いただきもの 銀杏柄
先生はお話がとても上手.大学でも講義をされているようです.
☆プロフィール☆
AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了
修士 (デザイン学)
現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中
札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員
小樽案内人検定 1級
北海道科学大学 非常勤講師
北海道中央調理技術専門学校
北海道医薬専門学校