せっかくなら着物を着るのに,ちょっとした日本文化のことを知っているとより楽しいです.
そこで,今回は江戸時代の歌舞伎役者の話をしたいと思います.
先日,NHKで中村仲蔵 忠臣蔵狂詩曲というドラマがありました.主演の中村仲蔵を中村勘九郎が演じ.弟七之助も出演していましたね.
昔の映画俳優の大部屋などを描いている作品はありますが,歌舞伎の大部屋のような序列を描いている作品は少ないかもしれません.一番下の歌舞伎役者が使う部屋が「稲荷町」これは,楽屋の稲荷明神を祭っている場所の近くだから命名されたようです.そこから,階級が上がると,相中(あいちゅう)→中通り(ちゅうどおり)下立役(したたちやく)→名題下(なだいした)→名題(なだい)となります.
ちなみに名題というのは,歌舞伎の芝居小屋に描かれている名題看板に場面や名前が載るような役者のことを言います.下の写真だと岩井半四郎とか瀬川路考とかが読めますか?
人気の歌舞伎役者の衣装は,江戸の人々の流行色になったほどですが,例えば路考茶は歌舞伎役者の路考が衣装として身につけた色で,赤みがかった暗い黄褐色のことをいいます.
さて,血筋が重んじられる歌舞伎の世界で,血筋より秀でた芸で名題まで登りつめた中村仲蔵ですが,
落語や講談でも演じられており,特に最近では神田伯山が演じられたものが有名です.https://www.youtube.com/watch?v=xpV1xIcg9As
歌舞伎は奥が深くて興味深いですね.いつか札幌にも平成中村座が来てほしいです.
☆プロフィール☆
AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了
修士 (デザイン学)
現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中
札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員
小樽案内人検定 1級
北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」