久しぶりに着方教室に行きました.たまにしかいけないので,覚えが悪い私に先生はとても親切で粘り強く教えてくれます.さて,なぜ私がいまだ着方教室に行っているかなのですが,仕事上,ただ素早く着ることができるだけではなく,さらにきれいにかつ日常の着物に関する疑問に答えてもらうために通っています.
それでは先日新たに気づいた点や復習などをお伝えします.
1.伊達締めのぽっこりしない(出っ張らない)締め方
先日,ちょっとかわいい伊達締めを手に入れました.梅柄なのか季節感もありお気に入り.一つ難を言うと,素材のせいかやや結んだ時に結び目が大きく,張り出してしまいます(写真左).
そこで,先生に相談した結果,写真右のように,伊達締めの紐の右端は上から,左端は下から伊達締めに押し込む方法を教えていただきました(写真右). すっきりしましたよね.
2.長襦袢をさらにきれいに着るには(再確認)
それぞれの手で袖山と袖山を持ち,まずはやっこさんポーズ.衿をきちんと合わせ,衿先と衿先を右手でもって,左手は衣紋抜きを引く.衣紋抜きの手はそのままで,右手で衣紋の抜き加減の確認をします.手のひらぐらいに衣紋が開いていたらO.K!です.下前の衿を上からなでおろし,コーリンベルトなどで留め,次に上前も同様にして留めます.その後,伊達締めします.ベルトと伊達締めが一体になっている商品もあります.
3.番外編 まるぐけ(帯締め)のお話
最近見た朝ドラで,昭和8年ぐらいの結婚式にシーンがありました.参列者は親戚の既婚者が多いので,ほとんどが黒留袖を着ているのですが,帯締めが白いまるぐけだったのです.
最近,まるぐけの帯締めと言えばカジュアルのものしかあまり見たことがなく,帯締めの格という点では,平→丸と言われているはずなのに,なぜ?となりました.
それは以前いろいろな人に聞いてもわからなかった歌舞伎の女形も必ず帯締めは,まるぐけ.
踊るからきっちり締めるためなのかと妄想が膨らみましたが,何のことはないもしかするとこの時代のまるぐけは格が高かったのかもしれません.
つまり,まるぐけも以前は礼装によく使われて,その際は,白のみではなく,半分が銀色で半分が金色のまるぐけなどもあったということ.この回答で私は,とてもすっきりしました.
さて,細かいことが気になり始めた皆さんも,私と一緒に着方教室に参加してみませんか?
最近よく見かける帯締めで,左は,カジュアルなまるぐけで,右は礼装用の帯締めです.
まとめ:副作用が心配ですが,そろそろ予防接種も始まり,少し世の中が落ち着いてくるでしょうか.それでも,しばらくは対面ではなくオンライン中心になってきますね.オンラインでも気軽にお着物着ましょうね.
こちらの読者にはいらっしゃらないとは思いますが,帯が失敗したら,バストアップのみ映る画角にしたり,または,帯の後ろ側が失敗した場合は見えませんので,長時間の会議なら作り帯を前帯部分のみするのもよいのかも?
☆プロフィール☆
AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了
修士 (デザイン学)
現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中
札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員
北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」