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ある日の着方教室~ポイント柄の出し方

今回は帯の柄について少しお話ししたいと思います。

 

柄のつき方で帯の種類を大きく分類すると次の3種類になります。

 

(1)全通帯・・帯全体に柄があるものを言います(図1)。そのため手間がかかるので若干お値段が張る場合も。

 

図1 全通帯

 

(2)六通帯・・帯全体の6割に柄がある帯を言います(図2)。

 

図2 六通帯

(3)ポイント柄の帯・・お太鼓柄とも言い、お腹部分(前柄)とお太鼓(たれ)に柄のあるものを言います(図3)。

図3 ポイント柄の帯(左;前柄 右 お太鼓)

帯がなんとなく自分で結べるようになった方の次の登竜門は、ポイント柄をうまく出せるかどうかです。

なぜなら、着物は後ろ姿もぜひ美しく着てほしいからです。

さて、元々の帯の長さとその方の体形により、工夫が必要な場合があります。よくあるのは、帯が短くて、前柄がうまく出ないという場合です。

例えばこの帯ですが、うまく結ばないと薔薇の柄が、意図したところには出ません。

図4 ポイント柄の薔薇の帯

正面に出したい場合や、少し横に出したい場合など好みの問題がありますね。そんな時に、役に立つのがこの改良枕(図5)です。

図5 改良枕

それでは実際に改良枕はポイント柄の位置合わせに、どう使うのでしょうか?今回は最初からの手順ではなく、前柄の出し方に着目して改良枕の使用方法について説明したいと思います。

「たれ」の柄の位置を確認後、帯の「て」の部分を改良枕の上の部分にはさめる(図6)。

図6 改良枕に「て」の部分をはさめた例

(2)前柄の位置を確認する。(図7)

  仮ひもは自分の胴に巻いてその半分の長さで「柄」と「帯枕の中心」の位置を合わせます。この位置が柄になります。

図7 前柄の位置の確認

 

これらの手順をふむことにより柄の位置が自分の出したいところに出せますね。私の場合は、柄をやや左寄りに出しました。

 

 

コロナウィルスで皆さんなかなか外出がままならないと思いますが、皆様におかれましてはお元気でお過ごしでしょうか?

 

こんな時なので、私はおうちで着物を着たり、組み合わせを考えたり、着たいときにすぐ着物を取り出せるように整理整頓をしました。在宅でのオンライン会議や図書館のお出かけ、スーパーには着物で出かけています。

 

 外出が自由にできる時までおうちで「ちょこっとキモノ」楽しみましょう!!!

 

 

プロフィール

AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了

修士 (デザイン学)

北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」