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自分に似合う着物の色を知る。

 

現在、装いの千松では着物カラーコーディネートスキルアップ講座を行っています。

この講座は某情報誌に掲載するやいなや1時間で3コースすべての申し込みが定員以上になり、残念ながらお断りしなくてはならない方が大勢出てしまいました。

 

この講座の受講生の目標は、素早く簡単に、自分に似合う着物のカラーコーディネートを考えることができるようになる!です。

そこで、皆様にその講座内容の簡単なポイントを何回かに分けてお伝えいたします。

  授業風景

第1回 色の基礎知識

 着物以外にも衣服、食べ物、あらゆるものから「色」を皆さんは見て感じることができます。それでは、その「色」というものに物差しがあるのはご存じですか?

 

 例えば、私が皆さんに2cmのものを何でもよいから持ってきてね。というと、きっと皆さんは頭の中で定規を思い浮かべるでしょう。いうなればその定規にあたるものが色の物差し=「属性」です。色には、その物差しが3つあり、それを色の3属性と言っています。

 

 (1)色相(しきそう)・・・色み、色あいのこと。

この物差しで分けると、ざっくり「青」グループとか「赤」グループとなります。そのため、紺色(青に黒を混ぜた色)と水色(青に白を混ぜた色)は仲間になります。

 

 (2)明度(めいど)・・・明るさの度合い。これはわかりやすいですが、この色は明るい、暗いなどと皆さんもよく使っている表現ですね。

色彩の専門の世界では、高明度、中明度、低明度で明るさの違いを表します。

 

 (3)彩度(さいど)・・・鮮やかさの度合い。色には鮮やかな色とくすんだ色があります。例えば、同じ赤という色相でも苺は「鮮やかな」赤、あずきは、「くすんだ」赤になります。

 

この図1は、色相を環に並べたもので、色相環(しきそうかん)といいます。色相環にも流派があり一つではありません。

 

生け花の世界でも池坊、草月など流派ごとの生け方はたぶん今後も統一されることはないでしょう。

さて、日本でよく使われている色相環には、主なものが2つあります。小学校などの義務教育の現場でよく使われる「pccs色相環」と建築業界で色を指定するときに使われる「マンセル色相環」です。

 


  図1 色相環

次回は、pccs色相環(図2)を使用して、色相をもとにした配色を考える方法をお伝えします。これが分かると、どんなシーンでも配色の得意不得意もなくいろいろな組み合わせが考えられます。ぜひお楽しみに!!!!

ブログの担当者
カラーコーディネーター 昆野照美
プロフィール
AFT認定色彩講師 
北海道科学大学 非常勤講師「歴史と文化」(~2019)

提供:フローリスト 佐藤進
着物と帯配色例 
図2 PCCS色相環