着物を仕立てる時に、広衿とバチ衿があるのはみなさんご存じですよね。そのメリットとデメリットはご存知でしょうか?
1.広衿とバチ衿
・広衿 一般的な仕立て方で、メリットは、衿の幅を調節できる。デメリットは、初心者などでは、衿元が崩れやすい場合もあります(図1)。
・バチ衿 浴衣でよくある仕立て方で、メリットは、初心者でも衿の幅を考える必要がない。デメリットは、衿の幅を調節できないことが挙げられると思います。右の写真の場合は、浴衣ではありませんが、着物でもバチ衿に仕立てる場合もあります。(図2)
図1 広衿
図2 バチ衿
それでは、例えば、親から譲り受けた着物があるとします。その裄がご自身にとって短いとしたら、どう工夫をして着るでしょうか?
正式な場にはお薦めしませんが、広衿であれば、衿の折り返しを少なくして衿幅を広めに出し、さらに半襟を多めに出すといくらか裄を長くして、着ることが可能になります。
2.半襟(衿)を楽しむ
半襟は季節感を出したり、着る着物の外出シーンによって半襟を演出してみたり、着物をさらに魅力的にするアイテムだと思います。
例えば、この苺の半襟(図3)の場合は、いちご狩りのシーズンでもよいでしょうし、場合によっては、クリスマスコーデになるかもしれません。
図3 苺の半襟
図4 日本酒を飲みに行く(左)
和喫茶へ(中)
大学の同窓会(右)
半襟付けが面倒な方は、皆さんいろいろなやり方に挑戦しているようです。
一番手軽な方法は、半襟テープという半襟専用の両面テープを使用する。小さな安全ピンで数か所とめるなどの荒業もインターネットにはあるようです。
私の中での半襟のポジションは、洋服でいえばアクセサリー感覚で着る度にほぼ毎回異なる半襟にしています。余裕のある時は、縫いますし、急いでいるときは半襟テープで。
昔の人は半襟を自分で縫えない人は着物を着る資格がないと言う人が大部分を占めていましたが、今は気軽に楽しむことが必要だと私は考えます。
さて、そろそろ夏の半襟の季節ですが、みなさんご準備はいかがですか?
夏ならではのモチーフ(図5)としては、蛍や金魚などや夏のお花などがありますね。
お店には夏の半襟がたくさんありますので、気になった方は是非ご連絡ください。場合によっては、自粛の折ですので、配達もしてくれるかもしれませんね~。
図5 夏の半襟アラカルト
プロフィール
AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了
修士 (デザイン学)
現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中
札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員
北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」