pc_header-logo

「着物のカラーコーディネートスキルアップ講座  パーソナルカラー編」

 色の基礎知識を学んだところで、今回は、着物のパーソナルカラーについて、お伝えします。

 

1.パーソナルカラー

 

 パーソナルカラーとは、アメリカの大統領選でケネディ大統領のイメージアップに色彩の専門家がつき、彼が勝ったことから、その人自身の魅力を引き立てる色としての考えが生まれ、1980年代に日本に伝わりました。

このアメリカ生まれのパーソナルカラーを診断する職業の人を、イメージコンサルタント、パーソナルカラーリスト、カラーコーディネーターなど名称は様々です。

 

過去には、パーソナルカラー診断が1回5万円などという時代もありましたが、現在はパーソナルカラー診断ができる人が増えたこと、診断用ドレープ(布)が以前に比べて比較的安価になったことで、ご自身のパーソナルカラーを知っている方が多くなりました。

 

パーソナルカラーの定義は、あなたに最も似合う色、そして、客観的に見て自分を魅力的に見せる色のことです。本人の好き嫌いの好みは主観ですので、この場合は関係ありません。つまり、パーソナルカラーは、ご自身の好きな色と一致しないかもしれませんね。

 

それでは、着物のパーソナルカラーと洋服のパーソナルカラーとは何か違うのでしょうか?答えは否で、基本的な考えは、どちらも一緒です。

 

2.パーソナルカラーの基本

 

(1)ブルーベースとイエローベース

 

 ピンクが似合う、黄色が似合うではなく、その人に似合うピンクがあるということです。

 

例えば、ピンクの範囲は、サーモンピンクと呼ばれる黄みがかったピンクから、ショッキングピンクと呼ばれる鮮やかなピンクまで範囲が広いです。

 

 イエローベースというのは、色の奥に「黄み」を感じる色(図1)のこと、ブルーベースとは、「青み」を感じる色(図2)のことです。

 

 

図1 黄みを感じるピンク     図2 青みを感じるピンク

 

(2)パーソナルカラーの4分類

 

パーソナルカラーは、瞳、肌の色、髪の色など総合的に判断します。

ブルーベースが似合うのか?イエローベース似合うのか?明度の高低は?鮮やかな色が似合うのか?くすんだ色が似合うのか?を理論的に診断していきます。

 

4分類が一般的で、春夏秋冬と名前がついていますが、春は春の花畑のような色のグループ、夏はアジサイやトルコ桔梗など夏の花のような色のグループ、秋は、紅葉のような深い色のグループ、冬は、クリスマスカラーのようなはっきりしたコントラストの強い色のグループです。

 

春:透明感のある、明るめの色が似合います。淡い色より、鮮やかな色が似合います。(イエローベース)

 

夏:ソフトで、スモーキー色が似合います。明るくてソフトな色を着ると、ほめられるあなた。パステルカラーのほかに、スモーキーな色も良く似合います。(ブルーベース)

 

秋:シックで、深みのある色が似合います。濁りのある渋い色を着ると、むしろゴージャスで華やかな印象になります。(イエローベース)

 

冬:コントラストの効いた、はっきりした色が似合います。

シャープでモダン、コントラストの効いた色が似合うタイプです。黒、白、赤などを個性的に着こなすことができます。(ブルーベース)

 

 

3.着物のパーソナルカラーの具体例

春:黒が苦手なので、濃紺で柄が多いもの

 

夏:青みがあるピンクが得意色

 

秋:イエローベースでも明度が低い色が得意

 

冬:ブルーベースでまとめている。帯の色の様な低彩度

高明度もさらに得意

 

4.まとめ

 

 洋服と着物のパーソナルカラーの基本的な考え方は一緒ですが、着物では、自分の苦手のパーソナルカラーを着る方法としては半襟を工夫することなどが挙げられます。

 

パーソナルカラーを知ったうえで、自分の好きな色が残念ながらパーソナルカラーをとしては苦手な色だった場合もそれを着ることができたら楽しくなりますね。 

 

 次月は、そのポイントを中心にお伝えいたします。

 

プロフィール

 

AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了

修士 (デザイン学)

現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中

    札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員

北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」