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隠居すごろく 西條奈加 角川文庫

読書が大好きな私.しかし,なかなか論文の腕前は上がりません.

 

さてさて,江戸時代は,ある程度の年齢になると仕事を引退し,跡継ぎに自身が元気なうちに商売を譲るという隠居さんがいました.その隠居さんの話です.

 

この本の面白いところは,隠居後に趣味を全うするのではなく,自分の孫に巻き込まれて孫の友達や家族のために新しい商売を考えるというところ.

 

その新しい商売が,帯締めの話です.組紐や色の合わせ方,組紐を組むための丸台,中村座のお土産品に売り込む話など,私たちの身近にある帯締めが活き活きと見えてきます.

 

 

 

P169の着道楽のお嬢様の一言「まず矢羽根(左)と亀甲(右)2つの模様が入っているのがいいわね.帯締めは前に結ぶものだから結わえた時に両方の柄が見えるでしょ?」

 

 

矢羽根と亀甲,どんな柄が分かりますか?この文章と違い,帯締め一本に両方の柄が見えているわけではありませんが,模様の種類おわかりいただけますか?

 

 

歌舞伎役者さんが帯締めを流行らせ,町民も使うようになったという説があります.

 

P451を読むと,「名のある役者は概ね商い店を持っていて,中でも多いのは小間物問屋だという.役者の定紋にちなんだ柄を染めた手ぬぐいや袋物・・・・・」「中村勘三郎の定紋は角切銀杏だ.」という本の文章にもあるように,現代でもごひいきの役者さんのグッズを購入するのは楽しいです.

 

例えば,上の画像が「角切銀杏」 歌舞伎見学の一段上をいく?ごひいきの役者さんの定紋を身につけます.

 

 

定紋の他,この格子の種類が中村格子といいます.

 

歌舞伎を観に行くときはワンポイントですね.

 

☆プロフィール☆

AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了

修士 (デザイン学)

 

 

現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中

    札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員

    小樽案内人検定 1級

 

 

北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」