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「色の組み合わせ 冬の色」

色の組み合わせで特定の製品を即座にイメージできる場合がありますと前回申し上げましたが,そのほかにもイベントを即座にイメージできる配色があります.

 

 

例えば,ハロウィンなら何色の組み合わせでしょうか?それでは,クリスマスカラーといえばどんなものがありますか?

 

 

1.クリスマスカラー

 クリスマスカラーといえば,文句なく赤と緑が挙げられますね.それにあと1色何色を加えるかによって雰囲気はかなり変わると思います.

 

 

(1)赤と緑の2色を引き立たせるために,あえてもう一色は白か黒にする方法

赤と緑は補色のため,お互いの色を引き立てあうという長所もありますが,彩度が近い場合は,ハレーションというぎらつきをおこしてしまいます.生地同士ではあまりそのようなことは起こらないかもしれませんが,そのようなことがあるということを頭の片隅にぜひおいてください.

 

 

左は,赤緑白の組み合わせ,右は赤緑黒の組み合わせです.

(2)キラキラしたイメージを付け加える方法

 このページでは色の表現が難しいですが,金色や銀色を付け加える方法です.金色でキラキラのイメージを付け加えるもよし,銀色で大人のクリスマスを演じるもよし.どちらでも素敵だと思います.

 

左は,赤緑金の組み合わせ,右は赤緑銀の組み合わせです.

2.着物でクリスマスを表現

 

 

 それでは実際にはどのような表現になるでしょうか?

 

 

(1)深い赤がメインの着物の場合

 植物の柄は金色と黒で描かれており,帯の模様は,緑,赤,金色を使った刺繍になっています.帯締めと帯揚げは,同系配色です.(左)

 

 

(1)深い緑がメインの着物の場合

 深い緑のグラデーションの着物に,帯は黄緑と紫の文様になっています.帯締めと帯揚げは,着物とは対照配色になっています.(右)

 

 

3.冬の伝統色彩(『新版 かさねの色目平安の配彩美』長崎盛輝著

 

 

平安時代の重ねの色目の配色辞典では,冬でも少し色が使われている配色を推奨していたようですね.

北海道の冬は雪の世界で一面真っ白ですが,京都は雪も降りますが常緑樹もあるのでこのような配色になったのでしょうか?

4.小物でクリスマスを楽しむ.

 

 

普段の着物に赤+金色の小物を加えることでも十分クリスマス気分が味わえます.ちなみに今回はゴールドのキラキラを中心に考えてみましたが,大人のクリスマスの雰囲気としては青とシルバーの組み合わせでも冬をイメージすることができて素敵な装いになるかもしれません.

 

 

5.まとめ 冬を楽しもう!

これから長い冬になり,気持ちが沈みがちです.ちなみに,札幌ですが,冬には通常シーズンよりお花の売り上げが上がると聞いたことがあります.

 

無味乾燥な白の世界に色という刺激を追い求めているのかもしれません.

おうちを飾るもよし,ご自身もおしゃれをして,冬の殺風景な景色の中でも,皆さんの素敵な色の着物で周囲の人を楽しませてあげてください.

☆プロフィール☆

 

 

AFT認定色彩講師 札幌市立大学 大学院 製品デザイン専攻 2019修了

修士 (デザイン学)

 

 

 

 

現在 北海道大学 文学院 博士課程 人間科学専攻 在学中

    札幌芸術の森 ボランティア彫刻解説員

 

 

北海道薬科大学 元非常勤講師「医療色彩」北海道科学大学 元非常勤講師「歴史と文化」